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炎症性腸疾患について

[2025.10.15]

最近、生活様式・食生活の欧米化とともに若い人に非常に増えている腸の病気があります。炎症性腸疾患と呼ばれ、潰瘍性大腸炎とクローン病です。

どちらもその原因が未だに解明されていませんが、免疫異常が原因で、遺伝的因子や環境因子が複雑に関係して発症すると考えられています。

クローン病

口腔から肛門に至るまでの消化管のどの部位にでも潰瘍ができ、腹痛、下痢、血便などが生じる病気です。欧米などの先進国に多く発症していましたが、最近では日本でも非常に増えてきています。食生活が大きく影響して、動物性たんぱく質・脂肪の摂取が悪くする要因です。

この病気は腹痛・下痢などの腸管の症状が主体ですが、痔瘻・裂肛などの肛門病変が初発症状のことも多く、肛門を診察するものにとっては注意が必要です。診断は内視鏡検査で大腸や小腸の下部を観察し、組織を採って顕微鏡で調べます。

治療は薬物療法と栄養療法が中心となります。メサラジンという炎症を抑える薬を投与します。食べ物の抗原性が病気を悪化させる因子なので、栄養療法はこれを取り除くためにタンパク質や脂肪を含まない成分栄養剤を投与します。

時にこれらの治療が奏功しない場合には手術が必要なこともあります。

潰瘍性大腸炎

大腸の粘膜に潰瘍やびらんが多発する病気です。症状は腹痛・粘液便・血便・下痢などです。ひどい時には一日に 10 回以上も粘血便や血便が出るようになります。

診断は内視鏡検査で大腸を観察します。また、組織を採って顕微鏡でも調べます。治療はクローン病と同様に薬物療法と食事療法が中心となります。やはりメサラジンという薬が基本になります。症状に応じてステロイドや免疫抑制剤が必要なこともあります。重症の患者さんは時に手術が選択されることもあります。

日常生活ではストレスが最大の敵なので、あまりがんばり過ぎないことです。食事の制限はそれほど必要ありませんが、アルコールや刺激物は避けたほうが無難です。

これらの病気は原因が明らかにされていないことから、現時点では完全に治す治療法はありません。しかし、多くは適切な治療により落ち着いた状態を保つことができます。症状がないからといって薬を無断で中止すると再燃することが多く、主治医と良く相談することが大切です。

クローン病・潰瘍性大腸炎ともに、日本では難病指定の病気となっており、保健所に申請し、認定を受ければ、医療費の補助がもらえます。

この分野は大腸疾患のなかでも世界的に最も力を入れて研究に取り組んでいる領域なので、続々と新しい治療法が開発されています。今後はさらに有効な治療法が出てくることでしょう。

若い人の腹痛を伴う血便、長期間続く原因不明の腹痛・下痢がある時には、一度大腸内視鏡検査を受けることをお勧めします。

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