痔疾患Q&A-その2
Q:
私は62歳の男性です。3年位前から脱肛になって、今では排便の時や長時間立ちっぱなしでいたときに脱出してしまいます。
出ても痛みはありませんが、ただ異物感があり、大変苦しいのです。衣類でこすれ、たまに出血する事があります。
只今便秘気味で、朝5時頃、7時頃、12時半頃、以上3回排便があります。3回もあるのに便秘とは変ですが、便は柔らかく、細く、しかもいつも残留感があります。
感じだけではなく、確かに残っています。何とか排便して腸を空っぽにして、スカッとした気分になりたく、毎回の排便時間が15分位になってしまいます。
20 年前に虫垂炎の手術のときに、ショックになり(麻酔のショックらしい)、一命を取りとめました。どこの病院へ行っても、手術は拒否されます。何か良い治療法はありますか。
A:
普通はこのように脱出する痔核は手術の対象になります。しかし、過去に麻酔のショックがあるので、どこの病院へ行っても手術は躊躇 (ちゅうちょ) すると思います。
当クリニックでやっている硬化療法 (痔核に直接注射をして、痔核を固める治療法)は脱出する痔核に対しても効果が認められます。
麻酔をかけないで硬化療法を施行すれば、治療できると思います。麻酔をかけない場合は、痔核の奥への薬の注入は十分ではなくなりますが、効果はそれほど変わらないと思いますし、痛みもほとんどないと思います。ただ、硬化療法は外痔核が多い場合はできませんので、一度診察するが必要です。
また便がすっきりと出ないで、残っている感じがするとのことですが、これは痔核が原因ではなく、いわゆる排便障害だと思います。痔核以外の肛門疾患 (直腸壁の異常・骨盤筋肉の動きの異常・肛門周囲神経の異常などの原因) により、うまく便の排出ができない状態です。ですから、大腸通過時間の測定・排便造影・肛門内圧測定などの検査が必要だと思います。このような検査をやっている病院はかなり限られて、普通の肛門科ではやっていないと思います。
当クリニックでは、このような検査ができる装置を導入しました。排便障害は疾患によって治療法がかなり異なりますので、是非一度検査を受けて下さい。
